ART1におけるカテゴリー数低減化分類手法
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概要
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特徴空間上に分布したデータ集合を, ある一定の分類尺度(ビジランスパラメータ)に基づいて分類するART(Adaptive Resonance Theory)がGrossberg等により提案されている. ARTでは「競合」と「共鳴」の二つの操作により, 既存のカテゴリーの選択と新しいカテゴリーの生成が適切に行われることから, 過去と現在の学習結果を矛盾することなく共存(いわゆる「可塑性-安定性のジレンマ」を回避)させることができる. しかしながら, ARTの分類結果は, 本来影響を受けてはならない「データの提示順序」に影響を受けるため, 同じデータ集合に対して異なるカテゴリー数・異なる分類結果で分類されることがある. 本研究では, この問題点を解決するため, 「ビジランスパラメータの漸近的設定」と「プロトタイプの確率的復元」という二つの操作を提案する. 「ビジランスパラメータの漸近的設定」は, 分類尺度(ビジランスパラメータ)を最も緩い値から指定した値まで漸近的に変化させることで, 分類結果を粗いものから細かいものへと徐々に移行させ, 指定した分類尺度において生成されるカテゴリー数を低減するための操作である. また, 「プロトタイプの確率的復元」は, ある分類のもとで決定されるプロトタイプ(カテゴリーの代表値)を確率的に変化させることで, データの提示順序の変化に対応しようとする操作である. この二つの操作により, データの提示順序によらず最小若しくはそれに近いカテゴリー数の分類結果が得られるARTを構築することが可能となる. 本研究では, いくつかのARTモデルのうち, 特にバイナリーデータを分類するART1に対して, この二つの操作を導入し, いくつかのデータ集合に対してその能力を確かめた結果, データの提示順序によらず生成されるカテゴリー数を最小若しくはそれに近い個数に低減できることが確かめられた.
- 1999-05-25
著者
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村上 研二
愛媛大学大学院理工学研究科
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泉田 正則
愛媛大学大学院 理工学研究科
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村上 研二
愛媛大学工学部
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泉田 正則
愛媛大学工学部
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泉田 正則
愛媛大学工学部電子工学科
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高岡 哲也
(株)四国総合研究所電子技術研究所
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