異速度呼混在の即時系モデルにおける計算アルゴリズムとその近似計算法
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概要
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本論文は,多元トラヒックモデルの品質(呼損率)評価における計算アルゴリズムの一般化に関するものである.計算アルゴリズムに関してはKaufmanの方法や,Conradt,Buchheisterの方法が有名であるが,それぞれモデルの規模及び呼種の速度に制約がある等の問題がある.本論文はそれらの問題点を解決したもので,主旨は以下のとおりである.(1)上記の従来方法に比べて適用範囲を拡張し,呼種別の呼損率が漸化的に計算可能な式を導出して計算アルゴリズムを提案した.(2)計算時間に関して提案したアルゴリズムが従来の方法と同程度であることを示した.(3)従来の方法及び提案手法はモデルが大きくなると計算時間が長くなることから,これを削減するための近似手法及びその適用条件を示した.本論文で提案した(1)の計算式及びアルゴリズムは,適用条件の拡大という観点からトラヒック工学上極めて有効で,また(3)の近似手法は近似精度も十分でモデルが大きな場合や,反復法の利用等による計算時間の長大化への対処法として効果があると考える.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2002-05-01