四つの発振部を有する100GHz帯電力合成型モノリシックHBT発振器

概要

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本論文は四つの発振部の発振電力を合成して出力する100GHz帯モノリシックHBT(HeterojUnction Bipolar Transistor)発振器の設計方法と実験結果について述べる。発振条件はループ利得を考慮するフィードバック法で解析し, 四つの発振部が同一位相で発振して電力が合成されるように設計パラメータを調整した。発振用の能動素子としてエミッタサイズが1.0mm×5.0μmで, f_T, f_<max>がそれぞれ190GHz, 240GHzのlnGaP/InGaAs HBTを用いた。本発振器の発振周波数は97.4GHz, 出力電力は+3.0dBmであった。HBTには各々I_C=10mA, V_<CE>=2.0Vのバイアスを与えた。電力合成の効果を調べるために, 発振部が一つと二つの発振器を別途試作して同一測定条件で評価したところ, それぞれ100.5G比, 100.4GHzで発振し, -3.2dBm, -0.4dBmの出力電力を得た。これらの結果から, 発振電力が合成されて出力電力が増加する効果が確認できた。知り得る限り, 100GHz帯で四つの発振部の電力を合成するモノリシック発振器の報告は本論文が最初である。
社団法人電子情報通信学会の論文
2001-07-01