SiO_2アンカー層を導入した透明導電性フィルムの作製と抵抗膜式タッチパネルへの適用
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概要
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抵抗膜式タッチパネルに対する, 周囲光の低反射化とペンなどの筆記入力に対する高耐久化を実現するために, ポリエチレンテレフタレート(PET)と酸化インジウム錫(ITO)層との間にSiO_2アンカー層を導入した透明導電性フィルム(ITO/SiO_2/PET)を作製し, 適用を検討した.SiO_2アンカー層の形成には, 経済性の点から有利な, ペルヒドロポリシラザンを出発原料とする方法を採用した.得られたSiO_2アンカー層上に, 直流マグネトロンスパッタリング法によりITO層を形成した.その結果, 直接PET上に形成された場合(ITO/PET)と比較し, ITO層からの光反射が約4%低減された.抵抗膜式タッチパネルへの適用において, 加重された入力ペンによる往復摺動試験に対しても, ITO層の損傷に起因する抵抗変化は, ITO/PETと比較して1/2以下に抑えられ, 筆記耐久性に優れることを確認した.また, ITO/SiO_2/PETにおけるITO層の抵抗率は8.4×10^<-4>Ω・cmであり, ITO/PETにおける1.3×10^<-3>Ω・cmと比較し低く抑えられた.このことから, SiO_2層を導入することが, 透明導電性フィルムの低抵抗化に対するアプローチの一つとして示された.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2000-08-25