GaAs表面酸化膜の0.35μmHIGFET特性への影響
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概要
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0.35μmWSiゲートHIGFET(Heterostructure insulated gate FET)のゲート金属横に存在するGaAs表面酸化膜のFET特性に与える影響を評価した.ゲート金属横のパッシベーション膜としては, プラズマCVD法による本HIGFETに最適化されたSiON膜(屈折率1.58)[1]を用いた.GaAs表面の酸化状態を変化させるため, 二つの酸化方法を適用した.水銀ランプ(184.9, 253.7nm)からの紫外線照射により大気中のO_2より生成されたO_3による室温酸化(以下, UV/O_3酸化と呼ぶ)と大気中での400℃熱酸化である.分光エリプソ, オージェ分光分析, XPS分析の結果より, UV/O_3酸化膜はAs酸化物リッチで, SiON/GaAs酸化膜/GaAs界面は熱的に不安定でありFET作成工程の熱処理時にSiON膜との反応を伴う熱分解による遊離Asが発生する.一方, 400℃熱酸化膜は, 酸化時の熱で不安定なAs酸化物は分解するため, Ga酸化物が多い膜が形成される結果, SiON/GaAs酸化膜/GaAs界面は熱的に安定であることが判明した.いずれの場合も, パッシベーション膜/GaAs界面に存在するGaAs酸化膜及びGaAs酸化膜から遊離したAsが, FET特性劣化の原因となっていることが確認された.プロセス的には, パッシベーション膜形成前の酸化膜除去及び表面酸化防止が重要であり, 我々は, BHFウエットエッチによりGaAs酸化膜を除去することにより安定なFET特性を得た.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2000-04-25
著者
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