携帯電話に対する頭部ドシメトリの簡易推定
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概要
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人体側頭部の側で使用する携帯電話端末等に対する局所SARの現行の適合性試験(以降は標準測定法と呼ぶ)は,多種類の使用位置と条件での測定が要求されるので,その実施に際しては多大の時間と労力を要する.本稿では,局所SAR測定法の簡易化に関する基本的な考え方の一例を示し,箱型携帯電話端末に対しては平面ファントムを使用することで測定手順が大幅に軽減し得る可能性を計算機シミュレーションで検討した.標準測定法では頬と傾斜の両位置でアンテナの伸張時と収納時の測定を頭部の左右配置に対して実施する必要があるので,それ故に合計8種類の測定条件において局所SARを種種の頭部数値モデルで試算した.その結果,頭部の平面モデルは,解剖学的モデルに比べて局所SARが1グラム平均で最低1.5倍(1.8dB),10グラム平均で最低1.7倍(2.3dB)の過大側評価を与え,標準測定法のSAM(Specinc Anthropomorphic Mannequin)モデルに対してはアンテナ伸張時には同等の評価,アンテナ収納時には1.1倍(0.4dB)の過大側評価をそれぞれ与えることがわかった.このことは,箱型携帯電話端末に対しては,平面ファントムでアンテナの伸張時と収納時のわずか2種類の測定条件で局所SARが簡易的に評価できることを保証し,平面ファントムが局所SARの簡易評価に有効であることを示すものである.
- 2002-10-17
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