ボルト締めランジバン型振動子の広帯域化 : パルス波放射に適した構造の検討(強力超音波)

概要

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我々は建造物探査用超音波音速CTシステムで使用するための超音波振動子の研究を行っている。本システムではパルス波を送受信し、その到達時間の測定値から音速分布を画像化している。そのためパルス波はできるだけ短い方が、より高精度の音速測定が可能となる。一方、主な使用目的は文化財建造物の構造材内部の検査であることから、作業のしやすさを考えると振動子は小型かつ堅牢である必要がある。そこで本研究では、小型であることと堅牢であることを合わせもつ60 kHzボルト締めランジバン型振動子(BLT)を基本として、より広帯域な特性をもつ振動子の構成について検討した。その結果、外付け抵抗を用いた構成にした場合に共振の先鋭度Qが20程度まで低くなることが分かった。また振動子放射面の振動速度波形の測定により、パルス波の持続時間を短くする効果があることを確認した。これらのことから、BLTが大出力超音波パルス音源として信号的応用にも適用可能であることを示すことができた。
社団法人電子情報通信学会の論文
2003-12-11