高並列ボリュームレンダリングを可能にするパイプライン画像重畳装置の設計と評価

概要

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筆者らは物理現象の直感的理解を目的として,シミュレーションと可視化を同時進行できる可現化システムを提案し,開発を行っている.高速化のアイデアは,シミュレーション対象ボリュームをサブボリュームに分け,シミュレーションを行うとともに2次元部分画像発生を行い,部分画像の重畳により全体画像を生成するものである.この高速化には並列度が数百から千程度を想定している.ところが実験によれば,最も並列性が優れた重畳法であるBinary-swap-compositing法(BSC法)を用いても,並列度の増加に伴いプロセッサ間通信がボトルネックとなり,ソフトウェアのみによる並列化では,ビデオレートによる映像表示が難しい.筆者らはこの問題を解決するため8入力1出力のパイプライン重畳ハードウェアを提案し試作した.本論文では,PCクラスタを用いた高並列におけるBSC法の評価実験により重畳ハードウェアの必要性を示す.また,試作した重畳装置の機能・性能及び評価に関して述べる.PCクラスタとこの重畳装置を用いて構成した並列ボリュームレンダリングシステムを用いた性能評価においては,高並列におけるレンダリング処理の飽和は見られない.
社団法人電子情報通信学会の論文
2003-02-01