就学前児の遊び集団への仲間入り課程
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概要
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本研究では, 仲間入り行動を「遊び集団への参加」と「遊び集団への統合」と二つに分けて分析した。34人の顔なじみの就学前児を仲の良い子同士で3人ずつのグループに分け, その3人の中の1人が, 他の2人が遊んでいるところに仲間入りする場面をビデオにとった。その場面を前半と後半に分けて分析した。遊び集団側と仲間入り側を比較すると, 前半において, 遊び集団側は, 情報付与が仲間入り側より多く, 仲間入り側は, 情報収集がより多かった。後半では立場による差はみられなかった。前半と後半を比較すると, 遊び集団側では前半でより情報付与をしがちであり, 仲間入り側では前半でより情報収集しがちであった。これらの結果は, 仲間入りが遊び集団への参加だけで終わっているのではなく, 参加後の統合過程が, 遊び集団側と仲間入り側の各々の立場に応じた方法で展開していることを示す。このことから, 仲間入りの成立を仲間入りの方略からだけでなく, 遊び集団への統合過程からも分析する必要性について考察した。
- 1994-12-15
著者
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