標識再捕に基づくオホーツク海南部におけるキチジの資源量推定
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概要
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オホーツク海南部で漁獲されたキチジ3,025尾を標識放流し, 7年間で490尾再捕された。死亡係数一定を仮定した解析から, 1993年から1999年の資源尾数は, 2,400万尾∿800万尾に急激に減少していると推定された。標識脱落と標識死亡の影響をみるため, 様々なモデルをAICによって検討した結果, 漁獲係数は一定で, 自然死亡係数のみが放流後2年で変化するモデルが選択された。標識脱落と標識死亡の影響が無視できると考えられた3年目以降の漁獲率は, 0.1421±0.0106と推定され, 上の資源尾数は約30%の過大推定となった。さらに, キチジ全漁業者へのアンケート調査の結果から, 再捕報告率は94.3%と非常に高かったが, 標識の発見漏れが強く示唆され, これを考慮した感度解析によって資源量は最大4.3倍程度まで過大推定の可能性があることが示された。
- 社団法人日本水産学会の論文
- 2001-09-15
著者
-
木下 貴裕
北海道区水産研究所
-
北田 修一
東京水産大学
-
北田 修一
東京海洋大学海洋科学部
-
夏目 雅史
北海道立網走水産試験場
-
國廣 靖志
北海道立中央水産試験場
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木下 貴裕
水産庁北海道区水産研究所
-
夏目 雅史
北海道立網走水産試験場:(現)北海道立中央水産試験場
-
國廣 靖志
北海道立中央水産試験場:(現)北海道立函館水産試験場
-
北田 修一
Department Of Marine Biosciences Tokyo University Of Marine Science And Technology
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