胸腺関連腫瘍に対する免疫組織化学的検討

概要

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過去14年間に、当科および関連施設で切除した胸腺上皮性腫瘍22例(胸腺腫21例、胸腺癌1例)と胸腺カルチノイド1例のフォルマリン固定パラフィン包埋標本を用いて、腫瘍の発生と進展に関係があると考えられる諸因子(p53蛋白、PCNA,EMA,CEA,NSE,cytokeratin,TGF一β1)について免疫組織学的検討を試みた。その結果、陽性率はp53蛋白(35%)、EMA(48%)、CEA(17%),NSE(17%),cytokeratin(96%),TGF一β1(O%)であり、PCNAの腫瘍細胞1,000個あたりの平均陽性細胞数は478±197であった。臨床病期別に検討した結果p53蛋白、PCNA,EMAは進行例で陽性率が高かったことより、腫瘍の進展と深く関係があると推測された。特にEMA陽性群と陰性群においては生存卒に有意差がみられた。またNSEは陽性率は低いものの、陽性例すべてが臨床病期111期以上の進行例であることから今後検討する価値があると思われた。
日本肺癌学会の論文
1998-10-01