音場の時間構造が音声明瞭度に及ぼす影響の予測法 : 2波までの反射音場における音節異聴
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概要
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本研究の目的は, 音場の要因のみならず, 話者の発音特性や受聴者の聴覚特性などの要因を考慮できる, ヒ卜の音声情報処理の観点に立脚した音声明瞭度の予測法を構築することである。本論文ではヒトの音節の受聴特性を把握することを目的として, 連続マスカ付単音節明瞭度試験音源を用い, 直接音に対する相対レベルと遅延時間を変化させた2波までの反射音場における音節受聴実験を行った。その結果, 1)音節の異聴は音場と音節の時間構造とに関係しており, 同一の音場であっても音節の異聴に及ぼす影響は異なること, 2)子音が有声か無声か, 更には音節が拗音か非拗音かにより音節の異聴傾向をほぼ分類できること, また3)音節の異聴は自己相関関数とその継続時間の特徴から定性的に説明できること, などが分かった。このことから任意の音場の明瞭度を予測するには, 音声の時間構造の動的な変化に着目することが有効と思われる。
- 社団法人日本音響学会の論文
- 1996-12-01
著者
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