小型肺腺癌におけるCEAの発現様式の臨床病理学的意義についての検討

概要

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腫瘍径3cm未満の小型肺腺癌60例を用いてCEAの免疫組織化学的染色を行い, 腫瘍細胞内での発現様式から管腔側の細胞表面のみが陽性であるapical type, 管腔側の細胞膜のみでなく全周の細胞膜あるいは細胞質全体が陽性であるcytoplasmic type, 腫瘍細胞のみでなく, その周囲の間質にも陽性像をみるstromal typeの3群に分類し, 種々の病理組織学的所見との相関, 血清中のCEA値との相関, さらに再発・転移との相関について検討した.低分化型及び核異型高度とした例では, apical typeは認めず, 脈管侵襲陽性例には, apical typeは少ない傾向があった.CEA高値例の占める割合は, apical type, cytoplasmic type, stromal typeの順に有意に大きかった(p<0.01).一方, stageIの19例ではapical typeに再発例は皆無で, cytoplasmic type及びstromal typeでは有意に再発・転移例を多く認めた(p<0.05).
日本肺癌学会の論文
1992-12-20