肺癌に合併する非細菌性血栓性心内膜炎の特徴とその意義

元データ 1994-10-20 日本肺癌学会

概要

肺癌患者における非細菌性血栓性心内膜炎(nonbacterial thrombotic endocarditis:NBTE)の特徴の意義を調べるため, 肺癌剖検142例の臨床病理学的検討を行った.11例(7.7%)にNBTEを認め, 組識型別には腺癌62例中8例(13%), 扁平上皮癌35例中3例(8.6%)の順で, 小細胞癌(34例)にはNBTEの合併はみられなかった.一方142例中11例に病理学的に播種性血管内血液凝固(disseminated intravascular coagulation:DIC)がみられた.このうち4例(36%)はNBTE症例で, DICとNBTEとの間には有意の相関を認めた(p<0.01).NBTE11例中7例に全身の血栓塞栓症を認め, その部位は脾(7例), 脳(5例), 腎(4例), 心(3例), 腸間膜(2例)であった.多発性出血性脳梗塞(4例)はいずれも致命的で, 心筋梗塞や腸間膜動脈塞栓症による腹膜炎も死因となっていた.NBTEは肺癌に稀ならず合併し, それによる血栓塞栓症は予後を左右する事もあるため, 臨床医はNBTEの特徴と意義を熟知する必要がある.

著者

毛利 昌史 国立療養所東京病院
片山 透 国立療養所東京病院
小松 彦太郎 国立療養所東京病院呼吸器外科
毛利 昌史 前国立療養所東京病院
片山 透 結核療法研究協議会外科々会
松原 修 東京医科歯科大学第二病理学教室
松原 修 防衛医科大学校病理第二
田村 厚久 国立病院機構肺がん研究会
田村 厚久 東京医科歯科大学第1内科
松原 修 東京医科歯科大学医学部病理学教室第2
小松 彦太郎 国立療養所中信松本病院呼吸器外科
松原 修 東京医科歯科大学医学部病理
田村 厚久 東京医科歯科大学医学部第一内科
松原 修 東京医科歯科大学中検病理
田村 厚久 東京医科歯科大学医学部第1内科

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