排尿機構にかんする検討 : 第11報 子宮頚癌根治術後の神経因性膀胱 :その2. 尿道 phentolamine 試験による骨盤神経叢損傷程度の評価
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概要
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子宮癌根治術をうけた68例について詳細な排尿動態機能検査を行ない、骨盤神経叢の損傷程度とα遮断剤(phentolamine)に対する尿道内圧の反応程度との関連性について検討した。対象は2群に分けられ、1群は子宮癌根治術において骨盤神経叢を温存した30例(温存群)と他方は両側の骨盤神経叢を切断した38例(切断群)である。排尿動態機能検査として膀胱の外受容覚検査、CO_2による膀胱内圧測定と肛門外括約筋筋電図との同時記録、尿流量測定、phentolamine投与前後の尿道内圧測定を術前、術後1〜3ヵ月、4〜6ヵ月、7〜12ヵ月、2〜3年、4年以上の期間に分けて行なった。両群の術前の最大尿道閉鎖圧は77cmH_2Oであり、phentolamine5mg静注により43%の圧低下を認めた。術後半年以上経過した症例では温存群の場合、最大尿道閉鎖圧は69cmH_2Oでありphentolamineに対する反応率は31%であった。切断群の場合は、それぞれ53cmH_2O、18%であった。最大尿道閉鎖圧の低下とphentolamineに対する反応率の低下は骨盤神経叢の損傷によるものであった。骨盤神経と下腹神経(交感神経系)とは骨盤神経叢切断により同時に損傷されるため、この尿道内圧曲線におけるphentolamine試験は子宮癌根治術後の神経因性膀胱においては、交感神経の損傷程度のみならず骨盤神経の損傷程度をも診断するのに有用な検査である。
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