Ethylcysteine による精液中 reactive oxygen species の in vivo での抑制効果に関する検討
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概要
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(目的)精液中のROSが過剰に産生されると,男性不妊症の原因になることが示されている.我々はscavengerとして直接ROS値を低下させる新しい方法として,ethylcysteine(EC)に注目した.そのinvitroでのROS値抑制効果に関しては既に報告した.本研究では,そのin vivoでの有効性を検討した.(方法)無精子症および膿精液症を除く男性不妊症患者10例を対象とし,これらの患者を無作為に2群に分けた.ECとVit.Eのcross-over studyとした.すなわちA群にはEC 600mg/日,B群にはVit.E 600mg/日を3ヵ月間投与し,1ヵ月の休薬期間ののち,投与薬物を入れ替えた.ECおよびVit.Eの投与前後において精液検査,精子自動解析装置によるパラメーターの測定,ROS値測定,精子受精能の指標としてTriple Stainを施行した.またECおよびVit.E投与前後で,各々の血漿中および精漿中の薬物濃度も測定した.(結果)EC投与後においてのみ,精液中ROS値は有意に低下を認めた.精子の受精能は,ECおよびVit.E投与前後でともに有意に改善した.精子濃度および運動率は,EC,Vit.E投与前後で変化を認めなかった.ECおよびVit.Eの薬物濃度は,血漿中では投与後に有意な上昇を認めたが,精漿中では不変であった.(結論)ECは,精液中のROS値の上昇を認める男性不妊症患者に対して有用であると考えられた.
- 1999-03-20
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