糖尿病ラット膀胱におけるムスカリンレセプターの分布に関する研究 : オートラジオグラフィーを用いて

概要

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(目的)糖尿病によって,膀胱ムスカリンレセプターの濃度と局在およびサブタイプの特性に変化が生じるか否かを実験的にラット膀胱を用いて検討した。(対象と方法)ラットを16週間にわたり以下の条件にて飼育した。1)STZにより誘発された糖尿病群2)インシュリン治療群(糖尿病発症後8週目より開始)3)シュークロス飲水による多尿群4)シュークロース除去群(多尿導入8週後除去)5)コントロール群。これらの5群に対し,放射性リガンドを用いた膀胱平滑筋の飽和および結合抑制実験ならびにオートラジオグラフィーを施行し,ラット膀胱におけるムスカリンレセプターの濃度と分布を比較検討した。(結果)飽和結合実験では,糖尿病群,多尿群で膀胱におけるムスカリンレセプターの濃度がコントロール群に比べて増加した。インシュリン治療群では,膀胱ムスカリンレセプターのアップレギュレーションの改善が見られた,オートラジオグラフィーによりムスカリンレセプターが膀胱平滑筋層に存在することがわかった。膀胱頂部は,膀胱三角部に比べ高濃度のムスカリンレセプターが存在した。[^3H]QNBの結合が存在しないことにより,ムスカリンレセプターが移行上皮,粘膜固有層,外膜および結合組織には存在しないことがわかった。[^3H]QNBのラット膀胱切片の結合に対してムスカリンレセプターザブタイプヘの選択的拮抗剤を用いた結合抑制実験から,M_2,M_3サブタイプの混在を示唆した。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1997-10-20

糖尿病ラット膀胱におけるムスカリンレセプターの分布に関する研究 : オートラジオグラフィーを用いて

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