原発性アルドステロン症40例の臨床統計的観察 : とくに高血圧の長期予後について

概要

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1975年から1993年までの間に,横浜市立大学医学部で,原発性アルドステロン症の診断で副腎摘出術を施行した40症例について,臨床統書十的検討をおこなった. 局在診断法,手術方法の長短を評価し,さらに高血圧の長期予後と予後の予想因子について検討した. 局在診断法の診断率は,選択的副腎静脈採血法で65.8%,副腎シンチグラフィーで72.5%,X線CTで96-9%,MRIで100%の診断率を得た. これらの検査方法を総合することによって,39例で局在を正しく診断することができた. この検討によると,選択的副腎静脈採血および副腎静脈造影法は必ずしも全例に必要な検査ではなく,ほとんどの症例でこれをおこなわなくとも局在診断が可能であることが明らかになった. 副腎摘出術における副腎への到達方法は,経腰式到達法が経腹式到達法に比べ,出血量,手術時閉ともに少なかった. 術後1年以上経過観察した38症例の血圧の推移を検討したところ,28例(73-7%)で血圧が正常化していた. 手術前の眼底所見により,血圧改善をある程度予想できることがわかった.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1995-05-20