前立腺肥大症の重症度分類の試み
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概要
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前立腺肥大症にともなう臨床的指標をスコア化し、その重症度分類を試みた.総合スコア(0-100点)は主観スコアと客観スコアよりなり、各々0から50点とした.主観スコアは、5つの閉塞症状と5つの刺激症状を評価して得た症状スコア(0-25点)とQuality of life(QOL)スコア(0-25点)の合計とした.客観スコアは機能スコアと解剖スコア(各0-25点)の合計とした.機能スコアは最大尿流率と残尿量を、解剖スコアは縫直腸的超音波断層法による前立腺体積を、各々スコアに変換して合計した.この方法を前立腺肥大症77名に適応したところ、症状、QOL、機能、解剖各スコアの平均値は8-9てほぼ等しかった.また総合スコアは平均35,4±12.3点で、10点未満をGrade0、10点以上をGrade 1、20点以上をGrade 2、30点以上をGrade 3、40点以上をGrade 4、50点以上をGrade 5とGrade分類したこの重症度分類は、前立腺肥大症患者の総合的重症度を評価するにはほぽ適切に構成されていると思われた.今後はこの重症度分類を治療効果判定に応用して、更に評価する必要があろう.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1993-02-20
著者
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本間 之夫
東京大学泌尿器科
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高橋 悟
東京大学泌尿器科
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高橋 悟
東京大学大学院医学系研究科泌尿器外科学
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阿曽 佳郎
東京大学泌尿器科学教室
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高橋 悟
日本大学泌尿器科学系泌尿器科学分野
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今荘 智恵子
東京共済病院 泌尿器科
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今荘 智恵子
東京大学泌尿器科学教室
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