腎癌における腫瘍マーカーの臨床的検討 : TPA, Ferritin, IS物質の三者における比較検討

概要

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37例の胃癌症例においてTPA, ferritin, ISSを測定し, これらの胃癌における腫瘍マーカーとしての意義につき検討した.TPAの平均値はstageIでは正常範囲内(正常上限値:110U/L)であったが, stageII, III, IVにおいてはこれを上回っていた.また陽性率はstageII, 55.6%, stageIII, IV60%, であったが, stageIでは12.5%と低かった.ferritinの平均値はstageI, IIでは正常範囲内(正常上限値:220ng/m1)であったが, stagenI, IVはこれを上回っていた(283.4, 292.1ng/ml).また陽性率はstageI, 12.5%, stageII 0%, stageIII 40%, stageIV 46.7%であった.ISSの正常上限値を500μg/m1としたとき, ISSの各stageの平均値はいずれもこれを上回っていた.またその陽性率はTPA, ferritinより高く, stage I 40%, II 57.1%, III 66.7%, IV90.9%であった.これらのことより三者はいずれも胃癌のStageが進むにつれてその値, 陽性率は高くなる傾向を認めた.また, 治療の前後で三老を測定したところ, いずれも臨床経過とある程度相関しており, 胃癌のモニタリングに有用であると思われた.更に三者のcombinationassayにより, 26例中24例(92.3%)においてそのいずれかが陽性であったことより, このcombinationassayは意義のあることと考えられた.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1988-01-20