CTによる膀胱腫瘍浸潤度判定の研究 : 理想膀胱外壁線およびW/Hを中心として
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概要
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CTによる膀胱腫瘍浸潤度判定をより客観的なものとする目的で,新たに理想膀胱外壁線および腫瘍根部径(W)一縦径(H)比を設定して各浸潤度別に比較検討し,以下の検討結果をえた.(1) CTによる形態診断で,小乳頭状型,乳頭状有茎性型,乳頭状無茎性型を示したしのはすべてStage B_1以下であった.広基結節型を示した23例中19例は,CTによる判定通り広基結節型Stage B_2以上であったが,残りの4例は摘出標本では乳頭状無茎性型Stage B_1であった.(2)体位変換時の腫瘍変位性は,乳頭状有茎性型形態を示したもののみに認められ,そのすべてがStage B_1以下であった.(3)理想膀胱外壁線外への腫瘍突出は広基結節型を示したStage C以上の全例に認められた.また,従来膀胱壁外には突出しないとされてきたStage B_2の6例中4例に認められた.突出した腫瘍根部の外壁を比較するとStage B_2ではその突出部の性状は平滑であったが,Stage C以上の場合は不整であった.(4)W/H比に関しては,乳頭状型を呈したStage B_1以下と広基結節型を呈したStage B_2以上は1.2で明瞭に判別できた.以上より作成したCTによる膀胱腫瘍浸潤度判定基準により,Stage B_1以下では37例中26例(70%),Stage B_2以上では19例中16例(84%).特に膀胱内注入物質として空気を用いた場合,Stage B_2以上において15例中15例(100%)と非常に高い一致率が得られた.本判定基準による膀胱腫瘍浸潤度のCT診断は,従来は極めて困難であった深層浸潤性腫瘍の各Stageの判別診断を可能とし,臨床上極めて有用なものと考える.
- 1981-08-20
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