脊髄損傷患者の外尿道括約筋筋電図の再検討 : とくにspinal shock期の動態とα-交感系刺激による変化について
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概要
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近年種々の面で異論の多い外尿道括約筋について脊損神経因性膀胱患者の尿道を用いて筋電図学的に外肛門括約筋との比較の上で,機能的再検討を行ない以下の結果を得た.(1)慢性期脊損患者に認められた外尿道括約筋と外肛門括約筋の筋電図上の分離(dissociation)が,急性期においても既に認められた.すなわち,急性期脊損患者8名のうち,完全損傷の6例においては,急性期でも外尿道括約筋の activityは残存していたが,外肛門括約筋は inactiveであった.不完全損傷の2例では,当然の事ながら両括約筋の activityは残存していた.亜急性慢性期に移行するに従い,両括約筋とも急性期に比して activityは増加傾向を示した. Dissociationの原因について,文献的に考察し,両筋の神経支配及び細胞構築上の相違から説明を加えた.(2)α-刺激後の筋電図上の activityは,慢性期にのみ,それも外尿道括約筋でのみ活動の亢進を認め,α-交感系の活動が神経因性膀胱の外尿道括約筋ではより顕著になる事が示唆された.
- 1983-12-20
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