尿石の熱分析 : 示差熱分析と熱重量測定

概要

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熟分析は,試料の構成物質の同定,および含有量の定量分析,または熱量測定などに用いられている物理的分析法の一つである。著名は,熱分析の方式のうち古くから最も広く用いられている示差熱分析,ならびに熱重量測定を市販試薬と尿石58例について行い,特にこの中の代表例について,熱重量測定により定量分析を行った。最初に,X線回折にて尿石の構成物質の同定をしておき,その試料の一部を用いて熱分析を行い,熱重量測定曲線上に示される減量を測定し,これを化学成分の計算値で補正し,構成物質の含有量を求めた。本法は以下のような利点を有する。(1)勲重量測定による定量分析は,極めて少量の試料を用いて行うことができる。(2)近年の自動記録式機器は,多忙な臨床医でも容易に用いることができる。(3)熱分析は,化学分析のように煩雑ではなく,赤外分光分析やX線回折と比較してみると,実験条件や結晶度による影響がほとんどない。今回の実験では,以下のことが明らかになった。(a)市販試薬(whewelliteとapatite)の人工混合物について定量を行った結果,極めて混合比に近い値が得られた。(b)分析した尿石においては,大きさに関係なく,有機物含有量は,1.2〜6.5%の範囲にあることが示された。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1982-07-20

尿石の熱分析 : 示差熱分析と熱重量測定

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