火砕鍵層と変動帯の地質および基盤運動
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概要
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数枚の凝灰岩層を一組として火砕鍵層を定義し, 野外で追跡することによって高精度の地質図を作成することができる。火砕鍵層を定義したり, 野外で追跡するためには, 一枚一枚の単層について厚さをスケールで測り, 単層内の変化も含めて岩相を細かく観察し, 柱状図としてまとめる調査法が必要である。上下2枚の火砕鍵層に挟まれている堆積物の厚さを測定することによって, 正確な層厚変化を知ることが可能になり, 関東地域では各堆積単元の最大層厚部の位置は段階的に急変することが明らかになった。この段階的急変は, 堆積盆基盤の断層に沿った変動が堆積中に進行したことの現れであるが, 断層に沿う変動の向きは, 時代によって向きを反転することが判明した。南関東地域における火砕鍵層を用いて明らかになった層厚変化は, スケール・モデル実験で再現することができる。東京湾北部断層は堆積盆基盤を切断しているが, 東京湾における音波探査断面によると, 変位方向を変換させながら現在も活動していることが層厚変化から知ることができ, 震源との対応が示唆される。
- 日本地質学会の論文
- 1998-03-27
日本地質学会 | 論文
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