微量元素・放射性起源同位体地球化学によるマントルプロセスの解析 : 上部マントルかんらん岩体での現状と課題
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概要
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本総説は, かんらん岩体の微量元素・放射性起源同位体地球化学に関する研究の進歩とその問題点を紹介する。かんらん岩体は広範なSr-Nd-Pb同位体組成の不均質性を持ち, 様々な希土類元素(REE)コンドライト規格化パターンを示す。この同位体・微量元素組成の変化は多段階なマントルプロセス, すなわちメルトの抽出・マントル交代作用・時間効果によって形成されたと考えられている。最近, 化学組成の不均質性を形成する機構として, パイロクシナイト・苦鉄質岩-かんらん岩間の相互作用が推測されている。しかし, 分析の困難さから放射性起源同位体組成の分析が限られていたために, それらのプロセスに関わった起源物質・起こった時期・テクトニックセッティングは明確になっていない。岩石学や岩石記載に基づいた同位体地球化学の研究によって, マントルの化学的進化過程の情報が得られるようになることが期待される。
- 日本地質学会の論文
- 1997-04-24
著者
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