西南日本外帯中新統熊野層群の砕屑岩組成と堆積相
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概要
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西南日本外帯に分布する中新統熊野層群の砕屑岩(砂岩・礫岩)の組成及びその層位的変化を調べた。砂岩組成は堆積環境の変化と対応して顕著な層位的変化を示す。下位層準で淘汰不良で未成熟な石質ワッケが, 上位層準で単結晶石英に富む石英長石質アレナイトが卓越する。砂岩中の岩片組成・礫組成及び古流向解析によって, 四万十・秩父・三波川・領家の各地帯からの砕屑物の供給が想定され, 特に基盤の四万十累層群からの供給が卓越していたと考えられる。熊野層群の砂岩組成は, Dickinson & Suczek (1979)やIngersoll & Suczek (1979)らによって提案されたプレートテクトニクスに基づく供給源組成三角図において, 予想される供給源フィールドに必ずしもプロットされない。これは, 砕屑物(岩)組成の堆積環境に対する依存性に起因していると考えられる。
- 日本地質学会の論文
- 1992-03-20
著者
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