形彫放電加工用電鋳銅電極の製作に関する研究
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概要
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形彫放電加工でクラウン, ブリッジを製作するためにはまず工具としての電極が必要である.本研究では放電加工用電極の製作方法として電鋳を検討した.小型の電鋳装置を試作し, 硫酸銅浴を用いて銅電鋳を行った.電着状態, 表面性状, 再現性, 変形, 電着効率, そして機械的性質などについて検討した.本装置では, 表面性状, 再現性が良好で変形の少ない電鋳体が, 初期電流密度1A/dm^2, 本電流密度10A/dm^2, 電極間距離200mmの条件で効率よく製作された.クラウンとブリッジ金型の印象に電鋳して得られた電鋳体は高い精度を有し, 電極として使用可能であることが判明した.しかし, 通常の直流電鋳のみでは, 支台歯形態への均一な電鋳が難しかった.白金製の補助電極を併用した結果均一性は改善されたが, この方法は操作性が悪く実用的ではないと考えられた.本電着にパルス電流を使用すると均一性は改善し, さらに浴中に光沢剤を配合すると均一性と電鋳体の機械的性質の向上が認められた.電鋳法で製作された電極を用いて, チタンの形彫放電加工を行い, 加工特性を検討した結果, 改良された電鋳電極を用いると, 市販の電気銅電極と同等以上の加工特性が得られることが認められた.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1991-01-25
著者
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