市販コンポジットレジンの耐久性の検討 : 主としてMeOHに浸漬した場合の曲げ強さおよび曲げ弾性率の経時的な変化について
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概要
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本研究は, 可視光線重合型コンポジットレジンの耐久性を向上させるための基礎的資料を得ることを目的とし, 市販redox型コンポジットレジン5種および可視光線重合型コンポジットレジン7種を採用し, それぞれのベースモノマーをHPLCで分析した.次に, 硬化物をMeOHに浸漬して, 経時的に曲げ強さおよび曲げ弾性率を測定した.さらに, MeOH中での膨潤量, 溶解量および主溶解成分について検討した.redox型の5種のベースモノマーの主成分は, いずれもBis-GMAであった.可視光線重合型の7種のうち, Bis-GMA系(BMPEPPを含む)が4種, UDMA系が3種であった.redox型および可視光線重合型のいずれのコンポジットレジンも, MeOHに7日間浸漬した場合, 曲げ強さおよび曲げ弾性率は低下した.曲げ強さおよび曲げ弾性率の低下の少ない場合はredox型のClearfil posterior new bondで, ベースモノマーの主成分がBis-GMAで, フィラーは, hybrid型で, 多量に配合されている場合であった.redox型の場合, 曲げ強さおよび曲び弾性率は, 膨潤量が増加するにつれて低下する傾向を示した.12種の溶解量は, 0.25〜4.78%を示し, 主溶解成分は, Pyrofil light bond AではBMPEPPであったが, 他の11種は, ベースモノマーの主成分と一致した.
- 1990-05-25
著者
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