表面粗さに関する研究 : 水成コロイド印象材の印象採得面の検討
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概要
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水成コロイド印象材の材料学的性質を解明することを目的として, 寒天印象材およびアルジネート印象材を用いてあらさ標準片の印象採得を行い, その表面粗さを非接触方式走査型レーザ顕微鏡を使用して直接測定し, 印象材の微細形状再現精度について表面粗さのパラメータによって評価, 検討した結果, 次のようなことが判明した.寒天印象材では, Raは0.350〜0.378μm, Rmaxは2.158〜2.529μm, Rzは1.555〜1.700μmの範囲で, アルジネート印象材では, Raは0.288〜0.316μm, Rmaxは1.484〜1.718μm, Rzは1.031〜1.155μmの範囲であらさ標準片の微細形状を再現した.寒天印象材とあらさ標準片との比較では, RaおよびRzには有意差が認められなかったが, Rmaxには有意差が認められた.また, アルジネート印象材とあらさ標準片との比較では, Rzには有意差が認められなかったが, RaおよびRmaxに有意差が認められた.走査型レーザ顕微鏡を使用することにより, 表面粗さのパラメータと写真像およびCG所見が得られ, それらを併せて使用することによって従来の測定では困難であった軟物質の表面粗さの直接測定ができ, 客観的な表現となりやすい表面性状の特徴を具体的に強調して評価することが可能となることが判明した.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1993-11-25