システムダイナミクスモデルを応用した細胞周期の動的解析 : 第2報 細胞毒性物質曝露後の過渡状態の時系列データを用いた細胞毒性の定量解析
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概要
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細胞毒性試験において, 細胞毒性を有する物質の細胞周期回転への影響を定量的に解析することを試みた.10μMのCdCl_2に曝露されたHeLa細胞, および2, 000または3, 200μg/mlのMMAに曝露されたヒト歯髄由来LSC細胞のDNA相対量を, 曝露後数時間ごとにフローサイトメトリーにて測定し, DNAヒストグラムの時系列データを得た.細胞周期回転は連続系システムとして数式モデルで表し, また化学物質の諸作用や培養条件の変化による変動を線形独立と仮定し, 偏微分の和によって表した.これらの化学物質のHeLa, LSC細胞への影響は, システムダイナミクスによってシミュレートし, 過渡状態を再現することにより, それぞれの細胞周期上の各期の間の移行率の変化として定量的に記述することができた.CdCl_2はHeLa細胞に対してS期の進行およびG_2期滞在時間を対照群のそれらに比較し20および25%延長した.MMAはLSC細胞のS期を対照群に対し50%, G_2+M期を80〜83%遅延し, 分裂後約50%が正常G_1期DNA量以下の細胞となった.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1998-03-25
著者
-
新井 泉
東京医科歯科大学歯学部歯科理工学第2講座
-
安藤 準
東京医科歯科大学歯学部歯科理工第二講座
-
新井 泉
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科摂食機能保存学分野
-
安藤 準
東京医科歯科大学歯学部歯科理工学第2講座
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