象牙質のクリスタルグロース性能について
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概要
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象牙質面上のクリスタルグロースの結晶形態および面積率に及ぼすクリスタルグロース剤の影響および象牙質面の前処理液の影響を調べた.硫酸アンモニウムを一定(4%)にして, アクリル酸の濃度を5%から60%に変化させた場合, 35%アクリル酸濃度では, 針状結晶の最も小さな直径25μm程度の半球晶が密に生成し, 30%アクリル酸の濃度では, 針状結晶の最も大きな直径100μm程度の半球晶を生成した.カチオン種の異なる硫酸塩で前処理した象牙質面に, クリスタルグロース剤として4%硫酸アンモニウム-35%アクリル酸水溶液を用いてクリスタルグロースをさせた場合, 4%硫酸亜鉛による前処理の場合を除きすべての硫酸塩で, 針状結晶は半球晶を呈した.その半球晶の直径は, 4%硫酸ナトリウム<無処理<飽和硫酸カルシウム<4%硫酸カリウム<4%硫酸マグネシウム<4%硫酸亜鉛の順序で大きくなった.硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウム(アルカリ金属)の半球晶は, 硫酸カルシウムおよび硫酸マグネシウム(アルカリ土類金属)と硫酸亜鉛(亜鉛族)のそれより細密に生成し, 象牙質面上の面積は, アルカリ土類金属塩よりもアルカリ金属塩で増加した.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1989-03-25
著者
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