寒天印象材の粘性挙動について : 寒天濃度および調節剤と添加量の影響

概要

論文の詳細を見る
寒天印象材の粘性挙動に及ぼす寒天濃度および調節剤の影響を明らかにするため, 水-寒天系試料および酸化亜鉛, 酸化第二鉄, 硫酸カリウム, ほう砂, グリセリンを添加した水-寒天-調節剤系試料を作製し, コーン・プレート型レオメーターを用い, そのずり応力-ずり速度曲線およびずり応力-時間曲線を測定した.得られた曲線より, 流動特性, 見かけ粘度, 降伏値および時間依存性を求め, 次のような結論を得た.水-寒天系試料の流動特性は, 測定可能な下限温度から60℃までの温度範囲において, 擬塑性およびチクソトロピーを示した.水-寒天系試料の見かけ粘度, 降伏値および時間依存性は, 温度の低下および寒天濃度の増加に伴い, 急激に増加した.寒天濃度が4wt%から16wt%までの水-寒天系試料の粘度変化は, 測定可能な下限温度から60℃までの温度範囲において, Andrade型の温度依存性が成立した.水-寒天-調節剤系試料の見かけ粘度, 降伏値および時間依存性は, 酸化亜鉛, 硫酸カリウムおよびほう砂の添加により増加し, 酸化第二鉄およびグリセリンの添加により減少した.
日本歯科理工学会の論文
1987-01-25