新しい超弾性NiTi矯正用ワイヤーの研究 : (第2報)ADA規格に基づく曲げおよび繰返し曲げ試験
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概要
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NiTi合金は近年多くの注目を集めている.これは「形状記憶効果」と「抜群の弾性」という特異な性質を示すためである.最近「超弾性効果」を示す新しいNiTi合金が開発され, 著者は前報でこの超弾性NiTiワイヤーの引張および3点曲げ試験を行い報告した.本報ではADA規格に準じた曲げおよび繰返し曲げ試験により, 超弾性NiTiをステンレス鋼や加工硬化NiTiなどの線材と比較検討した.超弾性NiTiは曲げ変形を減じていくと80°から50°にかけて持続的で一定なトルクを示し, 永久変形をほとんど残さなかった.また繰返し曲げにおいても, Co-Cr基合金などよりきわめて優れており, 加工硬化NiTiの4倍以上の2000回を超す連続変形に耐えることが認められた.この結果超弾性NiTiは矯正用線材として非常に優れていることが示唆された.なお, 超弾性NiTiは破面のSEM観察において, ステンレス鋼やCo-Cr基合金とは異なり, ディンプルを主とする破面が観察できた.
- 1983-09-25
著者
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