金属焼付用エナメル色陶材の溶解性に関する基礎的研究 : 元素の溶出量および表面粗さについて
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概要
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陶材の溶解性を検討するために市販の陶材3種を用いてその溶解性を検討した.焼成された陶材をアルカリおよび酸性溶液に浸漬し, 陶材から溶出した元素の定量分析を行い, さらに, 溶出に伴う表面粗さの検討を行った.その結果を以下に示す.1.各種市販陶材の溶解量は, 酸性溶液(pH4.0), ほぼ中性に近い溶液(pH6.4)およびアルカリ溶液(pH10.0)の各溶液中でそれぞれ近似した値を示した.一方, 浸漬溶液の相違によって差異が認められ, アルカリ溶液中で最も多く, 次いで酸性溶液中, ほぼ中性に近い溶液中の順であった.2.溶出量の多かった元素は, Si, Na, Kで, 溶出量の少ない元素は, B, Alであった.またTiについては検出できなかった.3.陶材の表面粗さは, 表面粗さ計による粗さの測定およびSEM像の観察によると溶解量が増加するほど大きくなる傾向を示した.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1983-09-25