アマルガムの寸法変化に関する研究 : 「キャップ法」による測定時の諸条件の検討
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概要
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アマルガムの寸法変化測定時における試験体寸法, 合金量, 測定開始時期および測定方向について, 薄ステンレス製キャップを試験体上下面に装着する「キャップ法」によって検討を加えた.3種類の合金を使用し, 電気マイクロメーターで寸法変化を測定した.その結果, 従来法でみられた初期, 中期および終期の流れが測定値に及ぼす影響が「キャップ法」によって抑制された.試験体寸法の影響は, 従来法では寸法の小さいもの(4mm)が収縮の増加を示したが, これは測定圧による流れの混入によってみかけの収縮が増加し, 換算値への倍率の差によって生じることが判明した.「キャップ法」によれば, 試験体寸法, 測定方向の影響に有意が認められず, 合金量, 測定開始時期の影響については, 合金による特性が「キャップ法」によって明示された.以上の結果から, 寸法変化測定の条件設計として, 1)「キャップ法」の採用, 2)試験体寸法は4mm, 3)充填直後からの測定, が望ましいと示唆された.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1984-09-25