歯科用接着性レジンのセラミックスに対する接着挙動について(第2報)
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概要
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第1報ではSUPER-BOND, PANAVIA-EX, 試作接着性レジンがVitaの社の焼付用陶材VMK68に対して接着性を示すことを見出して報告した.さらに安定した接着強さを得るためにシランカップリング剤を応用した表面処理法を検討した.これらの接着方法では水中浸漬1週間程度までの短期間では200kgf/cm^2程度の大きい接着強さを得ることができるが, 長期間の水中浸漬を行うと接着強さが徐々に低下し, 1ヵ月後には50kgf/cm^2以下になる.今回の実験ではより安定に接着する方法を見出すため陶材の各成分に対する接着性および, 前回の実験で成績の良かった表面処理法であるシランカップリング剤と熱処理を行なったものについて検討した.また新しい手法として陶材表面のエッチングを試みた.歯科用陶材は, SiO_2(シリカ), Al_2O_3(アルミナ)を主成分とし, そのほかに融点, 焼結性, 色調等を調整するための修飾酸化物が含まれている.このため今回は歯科用陶材のほかに純アルミナ, 純シリカに対する接着強さを調べた.この結果, アルミナ, シリカ, 歯科用陶材の順で安定した接着強さを示した.また長期の水中浸漬における接着強さの安定性ではMMA, PMMA, TBB-O系よりPANAVIA-EXが優れていることがわかった.表面処理はシランカップリング剤を塗布した後110℃7分間の加熱が有効であった.最も接着強さの大きい接着方法では水中浸漬6ヵ月後でも180kgf/cm^2以上の接着強さを保っており, 臨床での応用に対しほぼ充分な強さに達した.またエッチング法は今回はMMA, PMMA, TBB-Oによる接着試験, 電顕的観察のみを行ったが, 安定に接着するために有望な方法と思われるのでさらに検討する必要がある.
- 1986-01-25
著者
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