生体膜モデルとしてのりん脂質リポソームと光重合開始剤の相互作用に関する熱量的研究
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概要
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光重合開始剤(増感剤:ベンジル,カンファキノン,9-フルオレノン+還元剤:ジメチルアミノエチルメタクリレート)は可視光線照射による高い溶血性を示した。このメカニズムを明らかにするため,生体膜モデルとして,ジミリストイル及びジバルミトイルホスファチジルコリン・リポソームを用いて,開始剤により誘起されるリポソームの相転移特性を示差走査熱量計で研究した。開始剤により相転移温度の低温シフト,エンタルピー(ΔH)の減少,ピークの高さ/半値幅の減少が生じた。光照射により,この変化は著しく増大した。芳香族ケトン類は脂肪族ケトンより大きな変化を示した。増感剤と還元剤との間に,錯体が形成され,光照射により錯体が励起されると,錯体分子の一部が変化を受け表面活性を滞びる。この表面活性錯体がりん脂質の相転移特性に大きな作用をした。光照射により光重合開始剤の溶血性が増大することは,この表面活性錯体の形成に関連があると考えられた。
- 1986-12-25
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