新しい測定法による女子の局所寒冷適応能の季節変動
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概要
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女子と寒冷の関係の文献はあるが、その関係について季節変動を取り上げた試みは見られない。さらに、この研究は、ヒトの適応能というテーマで北半球の各温度帯で実施予定なので、共通して用いられる測定のための寒冷刺激温度条件の確定が必要である。今回は、これらの目的のために成人女子5名と成人男子3名を対象に、冷水浸漬・15℃の撹拌冷水に右手中指末節まで浸漬する新しい測定法を用い、浸漬指尖部の皮膚温の変動(浸漬前・同中・同後測定)から寒冷血管反応(CIVD)、つまり局所寒冷刺激と自律神経機能との関係を調べた。非浸漬指尖部の皮膚温および並行して体温の変動も測定した。測定は、2002年4月から7月、10月、翌年の1月と4月の季節ごとに実施した。浸漬前の皮膚温について男女別に見ると、男子は夏季に比して冬季が低くその差は平均値で1℃あり有意差が認められた。一方、女子の夏季と冬季の差は平均値で約4℃と大きく標準偏差値も4であった。季節に対する外郭体温変動の個人差が大きいのが女子の特徴といえる。体温の変動に顕著な季節差や性差は観察されなかった。寒冷血管反応・CIVDは、四季の測定において男子全員に発現した。一方、女子は、夏季に全員CIVDが発現したが、春季と秋季が2例、冬季は1例であった。浸漬前の皮膚温の変動でも観察されたが、男女で季節に対する反応に差異があるようでCIVD発現は一様ではない。女子の一連の反応は、より季節に順応しているように思われた。冷水浸漬後の回復時の皮膚温は、性差に関係なく環境温や浸漬前の皮膚温とは無関係に季節観を反映する傾向が見られた。以上、CIVDについて新しい測定方法を用いた季節変動や性差の結果をまとめれは、女子に強く季節の影響が見られた。CIVD測定には季節や性差に村する一定の配慮が必要である事を意味している。本研究で用いた新しい測定方法は、上述のように講究を可能にしたのでCIVDを測定するための必要条件をほぼ満たすと考えられる。
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