イタリア新憲法と刑罰法
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概要
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イタリア共和国憲法(Costituzione della Repubblica Italiana)は一九四七年一二月二七日に公布され、翌年一月一日から施行された。この新憲法は本文一三六ヵ条と補則一八ヵ条とから成っている。最初の一二ヵ条は「基本原理」を定めており、ついで第一部四二ヵ条が市民の権利と義務を定め、四編に分れている。第二部は八五ヵ条から成り、六編に分れ、議会・大統領・政府・裁判所などの諸制度を律している。ここで検討しようとする刑事関係条項は、主として第一部第一章に属している。一方、刑法(Codice penale)は、一九三〇年一〇月一九日公布、翌年九月一日施行され、今日に及んでいる。そこで、ここに新しい憲法と古い刑法との関係が問題となる。ここで紹介しようとするのは、パヴィア大学刑法教授ヌヴォローネ(P.Nuvolone)の『刑罰法と憲法』《Le leggi penali e la costituzione, 1953, Milano》である。本書は、第一章「序論的諸問題」、第二章「序論的諸概念」、第三章「刑罰法の不遡及性」、第四章「刑事責任の個人性」、第五章「言論・結社・集会の自由とその刑罰法的制限」、第六章「刊行の自由および芸術的自由に対する制限」、第七章「宗教の自由と宗教の刑罰法的保護」、第八章「刑罰法にもとづく罷業権」および第九章「憲法第一三条・第一六条と公安法」の九つの章から成っている。いずれも、重要かつ興味深い問題であるが、本稿では紙数の関係上、第四章・第五章および第八章の概要を紹介するにとどめる。
- 1957-12-30
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