電場定位をする魚の発電器官によって体表面上に形成される物体の電気的イメージ(数理生態学)
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概要
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弱電気魚は尾部に発電器官をもち周囲に電場を形成し、そのゆがみを利用して周囲の物体を正確に検知することができる。周囲の水と電気的性質(インピーダンス)が異なる物体は、その距離、大きさ、導電性などに依存して魚の周囲の電場をゆがめる。しかしながら、この魚が電場のゆがみのどのような特徴を検知して物体のこれらの情報を知るのか、はまだよくわかっていない。この問題を明らかにする第一段階として、魚の周囲に形成される電場が、物体の様々な状況下でどのようにゆがめられるのか、を正確に知らなければならない。本研究では、魚の周囲の3次元的な電場を正確に計算するモデルを提案する。このモデルは、星宮らのモデルに基づいてつくられ、電場の時空間的変化が計算できるように拡張されている。このモデルをもちいて、我々は、魚の周囲や体表面上に形成される電場を様々な状況で計算した。このような計算から、物体の距離と大きさの情報が体表面上に形成される電場ゆがみの2つの特徴的な量によって表現されることがわかった。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2004-12-20
著者
-
樫森 与志喜
電気通信大学 情報システム学研究科情報ネットワーク学専攻
-
藤田 一寿
電気通信大学大学院、情報システム研究科
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樫森 与志喜
電気通信大学大学院、情報システム研究科:電気通信大学、量子・物質工学科
-
樫森 与志喜
電気通信大学
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