台風災害の周期性と危険度評価
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概要
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スペクトル推算結果に基づき台風災害の変動周期性について述べる。また, 個々の数量と発生場所が不詳な災害資料から大局的なリスク・ポテンシャルを得る方法を提案し, 強風による人身災害の危険度評価を行なう。台風災害における9年の変動周期は最大風速などの気象極値における9-11年周期に対応しているが, 過去30年間に5.4-7.7年周期に逓減している。さらに, 危険度評価によると, 災害の発生する最小限界風速は小さく, リスク・ポテンシャルは高い値となっている。台風の規模および沿岸・社会環境の現状から判断して, 沖縄の防災力は近年の社会基盤の進展にもかかわらず今なお不十分である。これらは人身災害が主に不注意により発生していることを示している。したがって, 災害発生には台風に対する個々の行動心理が強く反映されており, この事実は防災対策上留意すべきである。
- 日本自然災害学会の論文
- 1994-10-30