類似事例検索のための相互出現頻度に基づくファジィシソーラス生成法

概要

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現在の直面している問題に対して最良の解決策を求めて意思決定を行う場合には、我々は通常、現在の状況に類似した過去の事例を参照する。したがって、意思決定者に過去の事例を検索するシステムを提供すれば有効であるものと考えられる。ただし、現在の状況と全く同一の過去の状況というものは存在しないから、このシステムは類似の度合いを評価して、その度合いと共に検索事例を出力する必要がある。この類似事例検索において、事例にはいくつかのインデックスが設定されており、これらが事例を特徴付けている。各インデックスはインデックス値の集合を持ち、その中のただ1個が対応するインデックスに対して指定されている。したがって、このインデックス値の定量的な関係を示すファジィシソーラスがあれば、類似事例検索に有効であるものと考えられる。これまでにも文献検索のために、文献の内容全体におけるキーワード対の同時出現に基づいたファジィシソーラス生成法が提案されている。しかし、電子化されているインデックスのデータのみを用いてファジィシソーラスを生成する方が、実用上は望ましい。この場合の問題点は、各インデックスにインデックス値はただ1個しかないために、単一インデックス内での同時出現が観測されないことである。本論文では、電子化されているインデックスのデータのみを用いたファジィシソーラス生成の新しい方法を示し、類似事例検索への応用を示す。この方法は、事例に設定されている複数のインデックスに着目し、2つのインデックスのインデックス値対の相互出現を観測する。そして、sum-min合成と呼ぶ演算を用いて、1つのインデックス内のインデックス値対の間接的な関係をこの相互出現により評価し、ファジィシソーラスを生成する。災害派遣活動を計画する意思決定システムを開発した。このシステムは、現在の状況と類似した過去の災害派遣活動の事例を検索するためにファジィシソーラスを利用する。このファジィシソーラスを生成するために本論文に示すアルゴリズムが用いられている。
日本知能情報ファジィ学会の論文
1996-12-15

類似事例検索のための相互出現頻度に基づくファジィシソーラス生成法

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