条件付き可能性分布を用いた異常診断手法

概要

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可能性理論を用いた異常診断手法を提案する.原因と症状の間のあいまいな関係を用いた異常診断法として, ファジィ関係式の逆問題を解く方法がある.この方法では, 原因のファジィ集合A(全体集合U)と症状のファジィ集合B(全体集合V)の因果関係をU×V上のファジィ関係Rによって表わし, RとBが与えられた条件下でファジィ関係式B=A○Rを解き, Aを求める.このとき, 症状のファジィ集合Bのメンバシップ値は症状の程度(強弱)と解釈され, 結果として得られる原因のファジィ集合のメンバシップ値は可能性(確信度)として解釈される場合が多い.しかしこの解釈は, 症状の程度と原因の可能性という異なるあいまいさの尺度を全く区別なく扱っていることになる.一方, 可能性理論の立場からは, ファジィ関係式におけるファジィ集合A, BはそれぞれU, V上の可能性分布π_U(u_i), π_V(v_i), ファジィ関係Rは原因に対する症状の条件付き可能性分布π_<V|U>(v_i|u_i)として解釈できることが知られている.そこで本稿ではこの可能性理論の立場に立ち, 原因集合上の可能性分布π_U(u_i)と条件付き可能性分布π_<V|U(v_i|u_i)があらかじめ知識として与えられ, 症状として任意のVの(クリスプな)部分集合が観測された場合に, 任意のUの(クリスプな)部分集合が症状Vの原因である可能性を求めることを診断問題とする.そして, この診断問題を解く方法を議論し, 提案する.
日本知能情報ファジィ学会の論文
1996-06-15

条件付き可能性分布を用いた異常診断手法

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