多目的線形計画問題における有効性判定と区間問題への拡張
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概要
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本論文では, 多目的線形計画問題に対する新たな有効性判定法を提案し, これを目的関数の係数を区間係数へと拡張した区間多目的線形計画問題へと適用することにより, 効率的な必然的有効性判定法を提案する.区間多目的線形計画問題の解は必然的有効解(および可能的有効解)と呼ばれ, ある実行可能基底が必然的に有効であるか否かを判定することが重要となる.従来より多目的線形計画問題では, 有効性判定は副問題としての線形計画問題を解くことにより行われるが, 区間問題の場合には係数のとり得るすべての可能性について有効性を判定せねばならず, 問題が大規模になると計算量が急激に増大する.このため効率的な有効性判定法の開発が必要とされていた.本論文では, 前半において, 通常の多目的線形計画問題とその有効性の判定法を検討し, 有効性条件の双対的解釈および端線生成法を利用した新たな有効性判定法を提案する.また, 従来の判定法との比較を行い提案法が効率的であることを議論する.論文後半では, 前半での提案法を区間多目的線形計画問題へ適用する.ここではBitranの提案した分枝限定法による必然的有効性判定法を拡張改良した新たな判定法を提案する.その有効性判定の部分に論文前半部で提案した方法を採用する.また, 前半および後半それぞれにおける提案法の具体的な説明を数値例を示すことにより行う.
- 日本知能情報ファジィ学会の論文
- 1999-02-15
著者
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