ネイティブ配列とランダム配列の比較に基づいた遺伝的アルゴリズムによるアミノ酸インデックスの抽出
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概要
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球状タンパク質は、立体構造の折れたたみに関する情報を、その一次構造中のアミノ酸の配置として持っていると考えられる。したがって、折れたたむネイティブ配列をランダムにシャッフルする(すなわちランダム配列)と、その情報は失われると期待される。この仮定に基づいて、われわれは、折れたたみに影響を及ぼすと考えられる要因をアミノ酸インデックスの形で抽出するために、以下のような自己組織的手法を開発した。まず、ネイティブ配列とランダム配列を、インデックスにより配列プロフィールに変換する。さらに、AR解析およびLPCケプストラム解析を行い、配列プロフィール間の差異をLPCケプストラム距離として表現する。そして、その距離が大きくなるように、遺伝的アルゴリズムでインデックスを進化させる。この手法により得られたランダム配列に対しネイティブ配列を特徴づけるインデックスは、疎水性インデックスと高い相関を持つことがわかった。このことは、アミノ酸の性質を親水性・疎水性で見たとき、その配置が、タンパク質の折れたたみに関連していることを示唆している。また、このインデックスは、タンパク質がどのような二次構造を多く含むかで、若干の違いがあることが認められた。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1999-09-21
著者
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