マルチモーダル範疇文法による日本語の数量詞遊離の分析
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概要
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本論文では,日本語の数量詞遊離現象をマルチモーダル範疇文法で説明する方法を示す.数量詞遊離の問題点として「(1)遊離を許す名詞句と許さない名詞句が存在する.(2)数量詞が遊離する場所は,修飾する名詞句の直後に制限される.」という二点を挙げた.先行研究では,数量詞が遊離可能な名詞句とそうでない名詞句を助詞の観点から区別するものが多く,遊離を許す二格名詞句と許さない二格名詞句を説明できていなかった.しかし,本論文の枠組みではθ役割に基づく素性の付与を規定し,その素性により遊離を実現させることで,遊離に関して名詞句を統一的に扱うことができる,遊離を引き起こす規則は,数量詞が遊離する場所に関する制限も同時に説明することができる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1999-11-25
著者
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