Orszagの高速Legendre多項式変換法の改良
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概要
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1986年にOrszagはLegendre多項式変換を含むSturm-Liouville固有関数変換の評価計算に対する高速算法を提案した。彼の算法は固有関数のWKB近似を用いて計算の一部でFFTを利用することにより、直接計算でO (N^2) かかる計算量がO (N log^2N/log logN) に改善できるというものである。しかし彼の算法は計算の無駄が多く、精度も悪く実用的ではない。我々はLegendre多項式変換の場合についてこのOrszagの算法を改良したので報告する。アルゴリズムの改良により計算量はO (N log N) に改善され、高精度近似公式の採用により、単精度程度の精度でN≥128, 倍精度程度の精度でN≥256で直接法よりも高速となることがわかった。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1999-05-14
著者
-
杉原 正顯
名古屋大学
-
須田 礼仁
名古屋大学工学研究科計算理工学専攻
-
森 明子
株式会社 日立製作所 エンタープライズサーバ事業部
-
森 明子
名古屋大学工学研究所:(現)株式会社日立製作所エンタープライズサーバ事業所
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