モーラ情報を用いた音素ラベリング方式の検討(ポスターセッション)(第5回音声言語シンポジウム)
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概要
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音声認識や合成システムなどの音声情報処理の研究において,音素の境界位置を示す音素ラベリングデータは重要である.自動ラベリングの研究は従来から多くの研究機関で行われている.しかし現段階の精度はまだ十分ではなく,さらに高い精度が要求されている.ところで音声信号は大きく2つの情報で構成されている.1つはフォルマントで,もう1つはピッチである.この2つの情報を分離するためにケプストラム分析が良く利用される.この分析方法では,低次の項にフォルマントが,高次の項にピッチが抽出される.現在の音声認識や音素ラベリングでは,フォルマント情報が利用されている.つまりケプストラム分析をして低次の項が利用される.しかしケプストラム分析をおこなった場合,ケプストラムの低次の項は,高次の項の影響を受けることが知られている.つまりフォルマントを計算するときに,ピッチが影響することが知られている.一方,ピッチ周波数と単語のモーラ数およびモーラ位置の間に依存関係があることが報告されている.本論文では、このピッチ周波数と単語のモーラ数およびモーラ位置の関係を使うことで,フォルマントにおけるピッチの影響を分離できると仮定した.そして,この関係を使用して自動ラベリングを行えば,音素境界位置の精度は向上すると予想した.この予想を検証するため,始めに母音・促音・撥音を単語のモーラ数および単語のモーラ位置で分類して音素HMMの学習を行った.次に作成した音素HMMを使用して単語の音素ラベリングデータを作成した.最後に求められた音素境界位置と,人手によって付与された音素境界位置の差の標準偏差を調べた.この標準偏差を単語のモーラ数およびモーラ位置を使用したときと使用しないときで調べて,本手法の有効性を確認した.
- 2003-12-18
著者
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