溶媒抽出及び加熱脱着ガスクロマトグラフィー/質量分析法による火災原因鉱物油鑑定方法の検討(<特集>「若手研究者の初論文」)
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概要
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鉱物油の高感度な分析法として試料中の鉱物油を加熱により揮発させ, 捕集管に吸着させた成分をGC/MSで分析する加熱脱着GC/MS法について検討し, 溶媒抽出GC/MS法と比較した.トータルイオンクロマトグラム(TIC)及びマスクロマトグラム(MC, m/z=71, 85, 92, 106)のピークパターンの比較及び2-メチルナフタレンとトリデカン(C13)のピーク面積比を比較することにより鉱物油, 特にガソリンと灯油の識別が可能であり, これは燃焼後の試料にも適用可能であった.どちらの方法においてもプラスチック類が混在しても鉱物油の識別に影響を与えなかった.溶媒抽出GC/MS及び加熱脱着GC/MSを使い分けることにより, 焼損物中の鉱物油を高感度に検出・同定することができた.これらの2つの分析方法を用いて2001年から2004年にかけて96検体の焼損物を分析した結果, 34検体は灯油, 5検体はガソリン, 13検体は灯油又はガソリンと識別され, 他の49検体からは鉱物油は検出されなかった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2005-09-05
著者
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