サリチル酸誘導体-EDTA系によるテルビウム,ジスプロシウムの蛍光定量
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概要
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サリチル酸類-EDTA系によるTb(III),Dy(III)の蛍光定量の際,置換基の種類と位置によるTb(III),Dy(III)の蛍光並びに蛍光から試験値に対する影響を検討した.実験に使用された試薬はサリチル酸のほかに,5-スルホサリチル酸,5-クロロサリチル酸,5-アミノサリチル酸,5-ニトロサリチル酸,3,5-ジニトロサリチル酸及び4-アミノサリチル酸などのサリチル酸誘導体であった.研究した7種類のサリチル酸誘導体のなかで,4-アミノサリチル酸-EDTA系の試薬の蛍光性(すなわち蛍光から試験値)は最も小さく,はん用のサリチル酸系の蛍光から試験値の7.6分の1しかなく,S/Nはサリチル酸系より約9倍ほど増大したので,Tb(III),Dy(III)の検出限界はそれぞれ6.4 ppb及び0.16ppmに達し,サリチル酸系よりそれぞれ5.3倍及び10倍も鋭敏になった.4-アミノサリチル酸-EDTA系を希土類酸化物中のTb(III)の蛍光測定に適用し,標準添加法により,0.5mgランタン,ジスプロシウム及びガドリニウムなどの希土類酸化物中の60〜800ngのTb(III)(0.012〜0.16%に相当)が回収率95.8〜106.7%,相対標準偏差2.2%以下で精度よく定量できた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1989-08-05
著者
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